退学を支える技術

この記事は退学 Advent Calendar 2016 - Adventarの22日目の記事です。

アドベントカレンダーに投稿されている記事を見ると、退学した人間の自分語りか退学する予定の自分語りの記事しかないので、ここでは少し趣向を変えて、退学の技術的なノウハウを共有したいと思います。

退学とは

退学とはそもそもなんでしょうか。放校や除籍など広義の退学を含む場合もありますが、ここでは退学願を提出することを退学とします。

退学願の入手法

退学願はどのように入手すればよいのでしょうか。もしかしたら事務室に行けば手に入るかもしれませんが、退学したいわけですし、できれば学校に行かずに入手したいところです。

https://www.k.u-tokyo.ac.jp/j/syllabus/tai.pdf

学校によっては、このようにインターネットで退学願をダウンロードすることができます。これで人間と会話せずに退学願を書くことができそうです。

スタンプラリー

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退学願を見てまず目に入ってくるのは、専攻長や指導教員と書かれた長方形です。書類の右上にある長方形には押印すべしというルールが説明無しにまかり通っていますが、これも例外ではなく、この長方形内に指定された人物に印鑑を押してもらう必要があります。

写真の例では、指導教員ならびに専攻長から印鑑を押して貰う必要があります。つまり、少なくとも2回はスタンプラリーをする必要があるわけです。しかしながら、退学したいのに悠長にスタンプラリーに興じている場合ではないということは学校側も百も承知で、実はスタンプを集める必要はありません。ある程度の規模の学校であれば退学者を出すことにも慣れているため、このスタンプラリーも自動化されています。スタンプが押されていない状態の退学願をそのまま事務室に提出しても、それが専攻長や指導教員のもとに巡っていき、スタンプが押された状態になって教務課へ自動的に提出されるのです。

退学の理由

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学籍番号や個人情報を埋めると、その次に理由を書くスペースが与えられます。この理由に何を書いても受理されるとは思いますが、経済的困窮などと書いておくと、あとで述べるような救済措置が施される場合があります。

退学願の提出のタイミング

学校にもよりますが、退学願は学期開始の1ヶ月前までに提出する必要があります。例えば、冬学期は10月1日に開始するので、その前に退学する場合は、8月31日までに提出しなければなりません。また、東京大学の場合、退学届を提出すると職員の方が勝手に授業料免除申請を取り下げてくださいます。

冷静に考えると、退学予定者の授業料を免除する義理はないので、気持ちは分からなくはないのですが、例えば「夏学期は授業料免除して、10月1日に開始する冬学期の前に退学するため、8月31日付けで退学する」というプランで退学願を提出すると、夏学期の授業料免除申請を、経済的な条件などが免除基準をクリアしていようが関係なく、申請をいつの間にか取り下げてきます。これがなかなかの罠で、先に職員に手の内を見せてしまったために、免除される予定の27万円を払う羽目になります。これを避けるために、授業料免除の通知が来たことを確認してから、退学希望日ギリギリの日程で提出する必要があります。

タイムマシン

万が一、払う予定のない授業料を払う事になってしまった場合、タイムマシンを使うことができます。これは奥の手で、「どうしても授業料が払えないので過去に遡って実は既に退学していたことにしてくれ〜」という救済措置です。これについてはここでは話しませんが、消費者金融に行く前に、そういうものも存在することを思い出していただければと思います。

最後に

退学する際に気をつけるべきことは、払う予定のないお金がかからないかどうか、ということです。特に、退学願を出す時は脳内物質が大変なことになっているでしょうから、意識的に冷静になって、制度を調べながら対処する必要があります。

皆さんの確実な退学を応援いたします。